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DV、アル中夫、大晦日のお産とおせちの思い出

  
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DV、アル中夫、大晦日のお産とおせちの思い出
どうも、TCS認定コーチの馬場佐希子です。
 
 
おせちで心が折れ、
おせちで心が満たされた話を
書いてみようと思います。
 
 
●リスクマネジメント
●クライシスマネジメント
●チームビルディング
●メンタルヘルス
●コミュニケーション
 
 
この出来事から学ぶことは多く今でも私の中に残っている出来事で、だからこそアクシデントになる前の人間関係にアプローチしたくてコーチングを学び続け、届け続けているように思います。
 
 
もう時効だから書くけれど
ものすごくヘビーなので
受け付けない方はそっとページを閉じてください。
 
 
それは入職3年めの大晦日の深夜でした。
 
 
お産の担当だった私は
いつものように入院の手続きを進めていました。
いつもとは違って大きな大きな不安を抱えて。
 
 
恐れていた事態が起きていました。
 
 
何度もシミュレーションし、他部門とも連携して事態が起こらないように準備していたはずでした。
 
 
しかし、それは全く功を奏さず恐れていた事態が目の前にあります。
 
 
「自分のいちばん成すべき仕事は何か?」
「いま最優先にすべきは何か?」
 
 
深呼吸して自分の仕事に集中するための間をとり
ひと呼吸してから産婦さんの待つ診察室のドアに手をかけました。
 
 
 
お産の進行を判断するため診察し、いくつかの問診の後お産の進行状況を伝えて付き添いの旦那さんにはお帰りいただくよう丁寧に声をかけました。
 
 
次の瞬間、旦那さんの眼の色が変わったのがわかります。
 
 
殺気立ち血走った眼で上気した顔が真っ赤な旦那さんに罵声を浴びせられ
ナース服の胸ぐらを掴まれ殴られそうになりました。
 
 
酒臭い息で鬼の形相の旦那さんの顔がすぐ目の前に迫っています。
狭い診察室の中。
私のすぐ後ろのベッドには大きなお腹の今にも産まれそうな妊婦さんが横になっています。
 
 
殴られ、もし私が吹っ飛び、ベッドに倒れでもしたら産気づいている産婦さんとお腹の赤ちゃんに害があるかもしれない。
 
 
自分を守るよりも何とか産気づいている産婦さんを守らねば、とからだが動いていました。
 
 
間一髪。
 
 
当直だった大きなからだの熊のような男性医師がタイミングよく診察室へやってきました。
 
 
た、た、助かった。
 
 
・アルコール依存症
・DV
・数々の暴行と警察沙汰の履歴
 
 
上記から、安全なお産のため出産の立ち会いはご遠慮頂くことになっていた旦那さん(以下、暴力夫とさせて頂く)でした。
 
 
男性医師の誘導で一度お帰り頂いたにもかかわらず、またしても幾重もの警備とセキュリティを抜けてさらに先ほどよりアルコールの回った顔とイカった肩で数時間後、
 
 
深夜の産婦人科病棟にその暴力夫が現れます。
 
 
暴力夫がお産の時に病院へ向かわないよう事前に何度も家族にも協力を要請していたのです。
ところが、おせちの支度とお正月準備に忙しくご家族は約束はできないと言います。
 
 
起こってしまったものは仕方がない。
 
 
緊急時のフロー通りリーダー、当直医師、夜勤師長、警備と連携して動いている一方、私は産婦さんの対応で暴力夫とともに分娩室に居合わせることになりました。
 
 
あきらかに暴力夫の様子がおかしいのです。
入院時とは比べものにならない異常さでした。
 
 
荒い呼吸。血走った目。
イカった肩。上気した顔。
肩で呼吸し落ち着かない手足。
回らない口での暴言。
 
 
診察を理由に暴力夫に退室を依頼した時にそれは起こりました。
 
 
暴力夫が突如キレたのですっ。
 
 
分娩室の椅子を頭上に掲げ振りかぶり一体何キロあるだろう来客用の椅子をこちらへブン投げようとしています。
 
 
罵声とともに。
自分も産婦さんも守るには?!一瞬にして思考を巡らしているとまたしても間一髪。
 
 
当直である大きなからだの男性医師が分娩室に現れました。 
 
 
暴力夫は人が変わったように椅子を下ろし肩を下げ背中を丸めて分娩室から去っていきました。
 
 
た、た、助かった。
間一髪、間に合ってよかった。
 
 
警察のお世話になることはなく男性医師の指示で暴力夫にはお帰り頂きました。
 
 
その後、勤務が代わり別の助産師に代ってから無事に赤ちゃんは産まれました。
かわいいかわいい赤ちゃんでした。
産婦さんも怪我なく無事でした。
 
 
勤務が代わったあと、私は休憩室で新年を迎えました。
 
 
先輩がビールを用意してくれていて一連の出来事をねぎらいつつ気を遣ってくださり
「乾杯って気分じゃないか?」
と声をかけて頂いたように思います。
 
 
私は、自分ではコントロールできなかった一連の出来事を引きずって新しい年がスタートするのが嫌で悔しくて
「いただきます!」
と言って、夜勤明けメンバー3人で乾杯しました。
 
 
この時一気にあおったビールの味は覚えていません。
 
 
ただ、夜勤明けの中休みにあわせ実家に帰っていた彼が実家のおせちとお雑煮を持ち帰り食べさせてくれたその味は鮮明に覚えています。
(後にその彼と結婚することになるのです。)
 
 
ふっくら艶々の黒豆にこっくり味のしみたブリ
ゆずの薫るだしが利いたあたたかいお雑煮。
 
 
 
大荒れだった夜勤の出来事を知らずとも現実に引き戻してくれたあたたかく豊かな味に、自分の心も返ってくるようでした。
 
 
その後、お正月三ヶ日が明けて出勤した際、師長さんに不意に呼び止められました。
 
 
「大変だったわね。1週間くらいゆっくり休む?」
 
 
休むことは選択しなかったけれど師長さんにかけられた声から事の重大さをじわじわと感じたのです。
 
 
お産の現場を離れてもう10年以上。
 
 
すっかり時効と思って書きました。
 
 
念のため、これだけは言いたいのは誰かを責めたり問い詰めたりする気は全くない。
ということです。
 
 
どうしてもお産に立ちあいたかったのだろう暴力夫も
おせちやお正月準備の方が優先だったご家族も
幾重にも張り巡らしていたセキュリティを
スルーさせた担当者も警備も
私たち現場のスタッフも
まさに産もうとしている産婦さんも
誰もが自分が守りたいものが
あったのだと思います。
 
 
●リスクマネジメント
●クライシスマネジメント
●チームビルディング
●メンタルヘルス
●コミュニケーション
 
 
この出来事から学ぶことは多く今でも私の中に残っている出来事で、だからこそアクシデントになる前の人間関係にアプローチしたくてコーチングを学び続け、届け続けているように思います。
 
 
今年届けたい先を明確にし自分の覚悟を決めるためにも記録として書き留めます。
 
 
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