気持ちで母乳が出るなら、はよ出してみんさいや!
どうも。広島の『産前産後の身体パートナー』馬場佐希子です。
実は、母乳に対して誤解されていることが多々あります。
中でも、授乳に対する男性からの間違った思い込みが時に女性を傷つけることがあります。
今日は、授乳中の奥さまを持つ男性に読んで欲しい記事。
おっぱいをやれない妻に対して夫がとった態度
そのイケメンは言った。
「後にも先にも自分から奥さんに謝ったのはあれだけでした。」と。
「あんたは最低の男じゃね!!!
いますぐ電話しんさい!!」
「おせっかいおばさんにそう言われて奥さんに謝ったんです。
当時は若かったから。
本当にあの時だけでしたね。」
おっぱいをやれない妻に言い放ったことばを夫はこう振り返る
「その時、奥さんは薬を飲んでいたために授乳を中断したんです。」
赤ちゃんに授乳したくてたまらないのに。
母乳をやれなくて、赤ちゃんが泣くからミルクを足していた。
本当は母乳を飲ませたいのに。
胸を引き裂かれるような思いで泣く子に哺乳瓶をくわえさせていた。
痛むおっぱいに苦しみながら。
「だけど、若かったせいもあるんでしょうね。どうしても言ってしまったんです。」
イケメン夫は追い打ちをかけるように妻を責めたのだ。
「なぜ母乳をやれないのか。
ただくわえさせることなのに何故できないんだ。」
「母乳をやりたい気持ちがあれば母乳をやれるだろう!
ミルクなんて飲ませるな!」
と。
「はぁ〜?!母乳をやりたくても出んのんよっ!
赤ちゃんが泣いとるじゃん。
母乳が出んけん泣いとんよ。
ミルク飲まんと死んでしまうじゃろっ。」
なぜ、夫は分かってくれないのか。
ほんとうは自分だっておっぱいを飲ませてやりたい。
なのに、それができないのだ。
妻は夫に背を向け、静かに涙を流していた。
それを聞いたおせっかいおばばは黙っていなかった!
「あんたは最低の男じゃね!!!」
おせっかいおばばは、イケメン夫にこうも続けた。
「あんた気持ちでおっぱいが出るなら出してみんさいや!
出るんじゃろ?!!気持ちがあれば!!
あんたにもおっぱいがあるんじゃけ
気持ちがあれば出るじゃろ。
ほら、今すぐ出してみんさいや!!」
イケメン夫は黙るしかなかった。
「・・・出ませんね。」
こうして、イケメン夫はおせっかいおばばの勧めもあり、すぐに奥さんに謝罪の電話をかけた。
おせっかいおばばは、電話の後にこうも言った。
心なしか、おばばの声が優しくなっていた。
「母乳がやれなくて一番辛いのは誰ね?」
イケメン夫はそこで「はっ!」と気付いた。一番辛かったのは妻だったことに。
母乳をやりたいのにやれない辛さ。
薬を飲まないと回復しないほど、辛い産後の自分の身体。
泣いている我が子をミルクでしか泣き止ませることのできない無力な自分を責めている妻の苦しさを。
広島の助産師 馬場からのお願いです
旦那さん、どうかあなただけは奥さんの味方でいてください。
一番の理解者でいてください。
苦手かもしれないけれど奥さんの気持ちに共感してあげて欲しい。
お仕事、大変かもしれません。
会社でのプレッシャーもあるかもしれません。
どんな風に奥さまをサポートしていいのかもわからないのかもしれません。
初めての赤ちゃんにどう接していいのかも、わからないのかもしれません。
だけど、赤ちゃんを迎えてすぐの頃は特にどうかどうか、あなただけは奥さんの最大の理解者であってほしい。
あなたに求めているのは子育ての知識でも正しさでもありません。
そして、どうか奥さんが安心して子育てできるように専門家がいることを教えてあげてください。
授乳中でも飲める薬だってある。むしろ、授乳中に飲めない薬の方が少ない。
ここから出会えます。助産師 馬場のお伝えしているお産と産後のおはなし。